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筋肉は水を溜めるバケツ?【前編】

水を体内に溜める量を増やす方法

こんにちは
カラダメンテナンスを担当している柔道整復師の土岩です。

今回は水が身体に与える影響について話します。

==目次==

1.どのように体から水分がなくなるの?
2.なぜ水分が減っていくのか?
3.水が身体からなくなるとどうなるの?
4.どのくらい水分量がなくなると異変が起こるの?
5.どのようなトレーニングが必要?
6.さいごに

皆さんは人の体内水分量がどのくらいか知っていますか?
人間の体内水分量は年齢や性別にもよりますが、約60%と言われおり、歳を重ねるごとに体内水分量はどんどん減っていきます。

年齢別水分量の平均

胎児: 90%
新生児: 75~80%
子ども: 70%
成人: 60~65%
高齢者: 50~55%

 

どのように体から水分がなくなるの?

一般的には発汗や嘔吐などが原因で水分が失われるとは知られていますが、
汗のかかない冬の時期なら体調を崩さない限り脱水の状態にならないかというとそうではありません。
寝ている時も汗はかいているし、日々の尿や便、呼吸からも水分が排出されています。
入浴時は体が濡れている為、気づかない人も多いですが大量の汗をかいています。

普通に生活をしているだけで1日2.5ℓ(尿と便で1.6ℓ、汗と呼吸で0.9ℓ)もの水分が失われます。
そして、1日3食の食事の中に含まれる水分と、体内で代謝などにより作られる水分の量を合わせると約1.3ℓとなります。
意識して水分補給をしないと単純計算で1.2ℓも不足してしまいます。
日によって汗をかく量が変わるので最低でも毎日1.5ℓは摂取することが望ましいです。

体にとって水分は大事だということは、あまり体に詳しくない人でも何となく知っていると思います。
しかし、なぜ水分が大事になってくるかというと、答えられない人が多いです。
それは、身体の50%以上の大部分が水分の為、不足すると生命活動に関わるからです。

 

なぜ水分が減っていくのか?

赤ちゃんは新陳代謝が活発で大人の倍以上の汗をかくため、体内水分量を多くしてバランスを保っています。
成長してくると筋肉に水分を多く蓄えると言われているので、
女性の方や高齢者の方が筋量が少ないため、水分を保持できず体内水分量が少ないと言われています。

簡単に言うと筋肉はバケツのようになっていて、そこに水が溜まっている状態です。
筋肉が増えるとバケツの容量が大きくなり保持できる水分量が多くなります。
女性や高齢者の方も適度に運動をして筋肉量を保っていれば、バケツの容量は小さくならないので
正しい水分補給さえ出来ていれば体内水分量は少なくなりません。

水分補給が大事なのは誰もがわかっていることですが、
水分を保持するためには筋肉量を持続することも大事になります。

 

水が身体からなくなるとどのようになるの?

具体的に水が身体の中で何をしているかというと、
血液量の維持・体温の調節・筋肉の収縮に関わっています。

水分が枯渇し、血液量の維持ができなくなると、血液がドロドロになり血管が詰まる原因になったりします。
さらにうまく循環しないため血流が悪くなり体内の熱をうまく放出できなかったり体温が下がったりします。
水分を溜めるバケツである筋肉に水分が足りていないと
脳からの筋肉を動かすという信号が伝達できなかったりして筋肉の収縮が不能になったりします。

水分の喪失による症状は吐き気・下痢・嘔吐・胃腸の問題のリスクを高めます。

 

どのくらい量水分がなくなると異変が起こるの?

運動などでの発汗や、体調不良での嘔吐などで
体内水分量が身体から失われるということは、様々なリスクを高めるということに繋がります。

2% 身体的・精神的なパフォーマンスが低下
5%以上 作業能力が30%低下
10%以上 筋肉の痙攣や、循環不全などが起こり始める
20%以上 死亡の恐れがある

 

どのようなトレーニングが必要?

今のような寒い時期だとのどが渇くことが少なく、水分を摂ることが少なくなっている人もいると思います。
さらに寒いとトイレが近くなったりして、余計に水分が摂れない人・摂りたくない人もいるかもしれません。
こんな時ほど運動をすれば必然的に水を飲むことができるので、
筋肉というバケツの容量を増やすためにも運動をしてみましょう。

運動習慣がない人が急に運動を始めるとケガをしてしまう可能性もあるので、
日常生活の家の掃除などでいつもより体を大きく使ってみるなどの工夫だけでも筋力アップにつながります。

毎朝ラジオ体操をしてみたり、
買い物は一気に買いだめではなく散歩のついでに毎日少量ずつ購入してしてみたり、
信号待ちの間だけ腹筋に力を入れてみたりなど
日常の中で継続してできる小さい運動をしてみましょう。

そして、そのたびに少量の水を飲むようにすれば脱水になるリスクも減らし、筋力が低下するのを防ぎます。
筋量を増やすのは、軽い運動ができたらレベルアップというようにすれば勝手に増えていくので、
考え過ぎず徐々に変わっていくのを楽しみに待ちましょう。

また、筋肉を普段使っていないことで硬くなっていることがあるので、ゆっくり全身のストレッチも行いましょう。
じっくり全身のストレッチをすると1時間くらいかかってしまうので、
今日は肩と首、明日はお尻と太ももなどという風に部位ごとに分けてストレッチをしてみましょう。
曜日によってメニューを設定したり、体調によって内容を変えたりすると日常の中に取り入れやすく、
体にも心にも負担が少なく続けられると思います。

 

さいごに

筋肉は1日で一気に増えることも減ることもありません。
運動を続けること・運動をさぼり続けることで筋肉の変化があるので、
1日できなかったからと言って残念に思うのではなく、休む日も作って長く続けられるようにしましょう。
運動もストレッチも筋量を保つ・増やすためには毎日続けることが重要になるため、
ストレスにならない程度にチャレンジしてみましょう。

自分1人では中々続かない人は、ご家族や友人を誘ったり、
当院のヘルススタジオへお越しいただければ、一緒に運動習慣をつけるお手伝いをさせていただきます。
いつでもご連絡ください。

後編は水を飲むタイミングなどの話です。
是非チェックしてください。

【後編】 水を体内に貯めて保つ方法
【番外編】 水以外に水分補給する方法

2023.2.9
柔道整復師 土岩 帆高