GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)の症状改善に効果があるモナリザタッチが、なぜ腟・外陰の若返り術なのか? ー女性泌尿器科ー
2018年9月から女性医療クリニックLUNA 横浜元町、ネクストステージ、心斎橋の3クリニック全てで、モナリザタッチ®を受けられるようになりました。
モナリザタッチ®は、世界で最初に開発された、米国でも認可されている腟・外陰用フラクショナル炭酸ガスレーザー治療術です。美顔用のエネルギー照射技術を腟・外陰に転用する施術は、2010年ごろから米国で始まり、高周波、エルビウムレーザー、フラクショナル炭酸ガスレーザー、焦点式超音波(HIFU)等が次々と参入しました。当初は、腟のゆるみや尿失禁に効果があるとされていたこれらの施術ですが、腟のゆるみ・尿失禁を治療のメイン症状にしていた当時は、結局骨盤底筋トレーニングや手術以上の成績は上げるには至らず、それなりの効果の保存的治療と位置づけられるのみだったと思います。
そんな中2014年にInternational Society for the Study of Women’s Sexual HealthとThe North American Menopause SocietyによってGSM(閉経関連尿路生殖器症候群)という疾患概念が提唱されるようになりました。GSMは、閉経に伴う、外陰・腟の萎縮変化およびそれに伴う不快な身体症状で、従来のVulvovaginal atrophy(萎縮性膣炎)という単語に比較して、症状・病態を包括的に受け入れる概念とされます。そしてGSMは慢性かつ進行性疾患であり中年以上の半数以上の女性が影響されていることがわかってきました。
GSM症状の症状は、
腟乾燥感・性交時の潤い不足・性交時不快感・性交痛・性交後出血・性的欲求低下・オーガズム低下・腟・外陰のムズムズ/灼熱感/掻痒・排尿困難・頻尿・尿意切迫感、反復性尿路感染等ですが、GSMになると、外陰・腟の形態変化も起こります。
具体的には湿潤低下、弾力性低下、小陰唇消失、血色不良/発赤、腟分泌腺消失、組織脆弱化・亀裂・点状出血、尿道反転・尿道脱、処女膜消失、外尿道口明瞭化などです。
このGSMのケア用に、私、関口由紀が開発したのが、外陰専用美容液LUNA プライドスキンプレミアムです。
そしてLUNAクリニック内では、このUNA プライドスキンプレミアムを入れた、LUNA GSMトリートメントセットを販売しています。
そしてGSMという病態の提唱に、いち早く注目し、その治療機器として一番に名乗りを上げたのがモナリザタッチ®なんです。そしてGSMによる形態変化を治療して以前のような腟と外陰にすること、またはGSMによる形態変化を起こさないように腟と外陰を管理することをGenitourinary Rejuvenation(性器尿路の若返り)と定義するならば モナリザタッチ®は、画期的な性器尿路の若返り治療術であるということになります。
このように、腟・外陰のエネルギー照射療法を、腟引き締め・尿失禁治療法からGSM治療法にみごとに変換させたのがモナリザタッチという施術の功績です。この概念変更により腟・外陰のエネルギー照射療法は、抗加齢医学の中心に躍り出たんです。現在は、追随する他の施術も、数多くなり、同じように宣伝されるようになってきています。そして米国では、あまりに過激に“外陰・腟の若返り術”の売り込み合戦が行われたため、FDA(米国食品医薬品局)から警告がでてしまいました。過当競争の常ですが、後発の売り上げを挙げたいメーカーは時々、不適切な宣伝や不適切な患者へ施術をすすめたりしてしまいます。
モナリザタッチ自体は、もっとも古くから行われているので、もっとも報告論文が多く、その安全性は、確実なんですが、マスコミに取り上げられる時は、先行機器のため “モナリザタッチをはじめとする腟・外陰のフラクショナル炭酸ガスレーザー治療”と 記述されてしまうことが多く、製造元のデカ社は、大変迷惑しているそうです。
さらにLUNAでは、モナリザタッチを、腟・外陰の唯一の若返り術であるというような、過剰な宣伝はせず、GSM治療の重要な選択肢の一つとして、他の選択肢も含めた集学的な治療をお勧めしています。
2019
関口由紀医師