FSDの原因と解決方法 ー女性性機能外来ー
女性性機能障害(FSD)外来
セックスの悩みはありふれている
誰しも一度はセックスの悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか?しかし、なかなか人には相談できず、ましてパートナーに話すことなんてできずに何か月、何年も過ぎてしまったなんてことがあったかも知れません。あるいは今まさに悩まれている方がいるかも知れません。
「もっとセックスに没頭したい」「もっと気持ちのいいセックスをしたい」「オルガズムを感じてみたい」「パートナーの射精が早くて楽しめない」などありふれたものから、「挿入が痛くてセックスを楽しめない」「パートナーの性器が入らない」「パートナーが求めてきてもセックスをする気が起きない」「性的な行為を連想するだけで気持ちが悪い」「パートナーが勃起しない」「パートナーが射精できていないようだ」「パートナーのフェティシズムを受け入れられない」など深刻なものまで…。もちろん、セックスの悩みは解決できなくても直接命が危うくなるようなことはありません。しかし、こうした悩みをそのままにしていることでパートナーとの仲がぎくしゃくしたり、子供が欲しいのに妊娠することができなかったりと、更に深刻な事態を生むこともあり得ます。そうでなくても、セックスの悩みが解決したらより生活が豊かになると思いませんか?
セックスは科学であり技術
セックスの悩みは決して珍しいものではありません。しかし「プライベートなことを人に相談するなんて恥ずかしい」「そんなことに執着するなんてみっともない」あるいは「本当は解決したいけど、どこに相談したらいいかわからない」というような理由で解決できなままになっていることがほとんどです。現在はインターネットの普及もあり、また少なからず性を表に出してもいいんだという風潮から、ある程度の情報を得ることができているかも知れません。しかし多くはアンダーグラウンドから発生した不確かな情報ばかりです。あるいは実践しようとしてもご自分に当てはめることが難しいものもあります。
セックスは科学であり技術であると考えております。昨今、ダイエットを含めた体作りや栄養学、睡眠方法が科学され技術として一般社会にも定着している中で、人間の三大欲求である性欲に対応するセックスだけが科学されず技術として一般社会に還元されていないことに疑問を持たざるを得ません。
FSDの原因と解決方法
FSDの原因は様々です。性器に疾患があるような場合はもちろん、内科的な全身疾患が隠れていることもあります。このような場合は医療的介入つまり治療が必要になります。性や身体についての知識不足、技術が未熟な場合、精神的な負荷が原因の場合、環境が原因の場合、過去の体験やパートナーとの関係性が原因の場合、また思想や受けた教育が原因のこともあります。これらが絡み合っていること多々あります。つまりその人の身体状況、生い立ちや経験、思想、社会背景などが関わってFSDの原因となっており、つまり性の問題とは全人的な問題なのです。
原因が一つであったり明らかな場合は、ちょっとした生活習慣の改善や工夫で解決できることも少なくありません。しかし、原因が複雑であったり状況が深刻な場合は、おひとりでは解決できないことも多いものです。そんな時はぜひ当院のFSD外来に一度相談にいらしてください。当院では手術、投薬、行動療法、理学療法、カウンセリング(基本的には医師がお話を伺いますが、必要な場合は専門の心理士をご紹介いたします)などの治療を行っています。診察料は決してお安くはありませんが、診察時間は余裕をもって設定しており、じっくりお話を伺うことでひとりひとりにあった解決方法を一緒に考えていくことができます。お悩みの方がおひとりでいらしても、パートナーやご家族とご一緒でも、同性愛カップルなどsexual minorityの方も歓迎しております。また年齢も関係ありません。
セックスは一生ものです。その人の人生を大きく変えることもあります。性を豊かにすることは人生を豊かにすることに繋がります。悩まれている方はどうかセックスをあきらめないで下さい。おひとりで解決できないと感じた方は、ぜひ当院にご相談下さい。
2021.4.10
村田佳菜子医師