骨盤臓器脱の症状と改善策 女性の10人に一人が経験!
子宮脱とは
一般的にはまだ子宮脱という言葉が知れ渡っていますが、医学的には「骨盤臓器脱」といいます。
何故かというと、腟から何かが出てくるのが骨盤臓器脱なのですが、
骨盤臓器脱には、
◉前から膀胱が出てくる「膀胱瘤」
◉子宮が出てくる「子宮脱」
◉直腸が出てくる「直腸瘤」
◉子宮を取った後に腟が出てくる「腟脱」
全てを総称して、骨盤臓器脱と言います。
この病気は意外と多くて、一生のうち女性の10人に一人くらいはなります。
出産した女性はかなりの確率で、ちょっとは起こっていると言われています。
腟の中を行ったり来たりするぐらいだと、10人に一人よりもっと多い。
ただ、腟から出てきてしまうとなると、もう少し数は減りますが、若いうちはあまり気にならなくなりますが、
65~70歳位になって、お風呂に入っている時にフェムゾーンを洗っていたら、そこから丸いものが当たった。などで見つかる事が多いです。
だんだんひどくなってくると、全部出てしまったりして、
その結果 尿漏れ・頻尿・お腹の痛み・便秘などが起こります。
骨盤臓器脱の改善策
当たり前なのですが、出ているものは入れた方が良いので、「出たらしまう」
閉まって座ったり、休んだりするとだいぶ楽になるので、フェムゾーン(腟と外陰)を自分で触らないというのは無しで、
出たら自分でマメにしまうのがとても大事です。
あとは、骨盤底トレーニングです。
出ている脱をギュッと締めて、その指に向かって肛門と腟をギュッと締めて上にグッと持ち上げる。この運動を毎日やります。
便秘が悪い影響
便秘の改善をしましょう。
保湿が大切
女性ホルモンが足りなくなって、外陰部が弱くなって起こる病気なので、何でもよいのでクリームを使って保湿して運動をしましょう。
クリニックに来た場合
自分で運動と保湿などをしても、改善されない場合には、クリニックに行くことをおススメします。
クリニックの治療は、まず最初にペッサリーという、昔は堅い丸い輪っかだったんですが、今は丸いのや四角いのがいろいろあって、
その人に合ったペッサリー指導をされることが多いと思います。
昔はペッサリーを腟に入れっぱなしだったのですが、最近は自己着脱の人が多いです。
眼鏡とか、入歯と同じように、自己着脱をします。朝入れて夜出す。そういう指導をします。
手術
ペッサリーでも難しい場合は手術。
手術も今は、色々あって、腹腔鏡を用いるものもあるし、腹腔鏡をロボットで行う場合もあります。
簡単に腟の中からする手術もあります。
歯医者さんと似たところがあって、入歯にするかインプラントにするかというのと同じで、
骨盤臓器脱も手術にしてペッサリーをいらなくするか、
「ペッサリーを毎日入れたり出したりするので、私は困らないわ。」
という人は、ペッサリーで過ごしても良いので、どちらにするのかは、ご本人の選択にお任せする。というような治療方針です。
2024年7月22日
関口由紀医師