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性欲低下について⑤ メンタル疾患と薬剤性

先週風邪を引き、今週は胃腸の調子が最悪で目標体重に易々届いてしまいまた。
更にワクチン3回目打って熱発(笑)

あ、でもすごく可愛いAV女優さんを発掘して気分が上がっていたりもします(笑)

 

性欲低下について第五弾!

いったん、シリーズ最後です。
今回はメンタル疾患と薬剤性の性欲低下についてです。
簡単に。

 

ストレス、うつ病などのメンタル疾患

うつ病では高頻度に性欲低下を伴います。
しかし、うつ病が回復すれば食欲や意欲とともに性欲も改善してきます。
なので、うつ病などのメンタル疾患の場合はメンタルクリニックに受診し、
まずはメンタル疾患の治療に努めてください。

 

『性欲低下について④ 妊娠出産』の産後うつのお話でご説明したように、オキシトシンは報酬系を刺激しストレス耐性を強化します。

 

ラットの実験では、慢性反復性ストレスを与えたラットはオキシトシン合成が軽微であり、胃の運動が低下し、それが持続したが、
ストレスを与えた後に2匹で飼育した箱に戻したラットは、オキシトシン合成が増加し胃の運動が低下しませんでした。

2匹が物理的に一緒にいることでオキシトシンが増加し、ストレス耐性が強化されたという実験です。

 

エストロゲンの影響で
女性は男性よりもストレスに対する副腎皮質ホルモンの反応性が高く、
ストレスが長期であったり過剰であったりするとこれが免疫系、代謝、神経機構に作用しストレス関連疾患の発症リスクを上げるといわれています。
こうした傾向は、出産後、月経前、更年期などの急激なエストロゲンの変動を伴う時期で特に顕著です。

実際、女性は男性に比べて抑うつ・うつ病、およびPTSDなどのメンタル疾患の有病率が高いことが明らかにされています
(たとえばうつ病は男性の1.5倍。パニックは2倍、PTSDが2.7倍)。

 

ストレスで性行為をしたくないという女性が多いのもうなずけます。

過度なストレスやメンタル疾患で性行為をしたくないときは、
無理に性行為をせず、まずはパートナーと一緒に過ごす、肌に触れる、キスやハグの回数を増やすなど物理的な接触を増やし、
お互いを思い遣ったり、共感しあえる話題で会話を楽しむなどしてオキシトシンを上昇させるようにしみてください。

 

また、ストレスで大量のお酒を飲むのは危険です。
性欲という意味でも、少量のお酒は脳を興奮させ性欲を上昇させますが、大量のお酒は性欲を減退させます。
お酒が好きな方は、パートナーといる夜に少量のお酒を一緒に飲むようにしましょう。
また、うつ病などのメンタル疾患の場合はアルコール中毒の危険がありますので、メンタルクリニックで相談してください。

 

また、メンタル疾患の方でも男性ホルモンの注射を行うことは問題ありません。
男性ホルモンは気分を上げる作用もありますので、メンタル疾患にもよいと思います。

かかりつけのメンタルの先生がいらっしゃって、投薬されている方は、一応かかりつけの先生と相談してからに致しましょう。

 

逆に、パートナーがメンタル疾患でセックスをしたがらない。という相談もちらほらあります。
女性の方がストレス関連疾患の発症リスクが高いとは言え、男性だって社会という荒波でストレスにさらされており、
メンタル疾患を抱えている方はかなりの数いらっしゃいます。

セックスしたいのに、パートナーにその気がない。その気が起きない。

こんな時は焦ってはいけません。男はプレッシャーに弱いのです。
メンタル疾患が良くなるのを待ちましょう。

一緒にいる時間を作るのも大事です。寒くなってきましたが、晴れた朝の散歩ってすごく気持ちがいいですよね。
遠出をしてrefreshできればいいですが、メンタルが沈んでいるときは予定があったりするのも疲れちゃうもの…。
近所の公園やスーパーに気軽に誘ってみましょう。

また、ご自分のケアをすることも大事です。
メンタル疾患のパートナーとずっと一緒、メンタル疾患のパートナーのことを四六時中気にかけている…
これではご自分も参ってしまいます。適度に自分の時間を作り、ひとりで、お友達と、楽しい時間を過ごすようにしてください。

 

薬剤性

性欲低下をもたらすお薬は結構あります。

主なものでは降圧薬(とくβblocker)抗うつ薬(SSRI)そして低用量ピルです。

また、プロラクチンの血中濃度が異常に上昇した状態を高プロラクチン血症といいます。
高プロラクチン血症では、性欲が低下することがあります。この高プロラクチン血症を単独で引き起こす可能性があるのが薬です。
胃の薬(スルピリド、H2blocker)吐き気止め(メトクロプラミド)抗うつ薬(SSRI)エストロゲン製剤でも発症することがあります。

典型的な症状である無月経と乳汁分泌がある場合は、
脳腫瘍の可能性があったり、不可逆的な卵巣機能低下につながることがありますので、かならず医療機関を受診してください。

ちなみに、私はこの高プロラクチン血症になったことがあります(笑)
たまたま採血で見つかり、原因は分からず、脳腫瘍もありませんでしたが、内服薬(カバサールというお薬)でよくなりました。

 

さて、5回のシリーズで性欲低下についてお話させていただきました。

基本は『性欲低下について①』女性の性欲のしくみについて、
あとは性欲低下について③オキシトシンと親密度の関係、どうやって上昇させるのか
などを理解していただければ十分かな、と思います♡

あと、簡単安心お財布にも優しい男性ホルモン(笑)(詳しくは『性欲低下について②』
こんな手段もあるよ。て感じです。

是非参考になさってください♡

2021.12.19
村田佳菜子医師