性交痛を主訴にいらっしゃる患者さんが非常に多い
最近、性交痛を主訴にいらっしゃる患者さんが非常に多いです。
年代も20代から80代と幅広いのですが、若い方の性交痛について説明します。
若い方の性交痛で多いのが、
1つ目は腟前庭部炎
2つ目は処女膜強靭症
3つ目は腟痙攣
です。
①腟前庭部炎
腟前庭部というのは、腟の入り口の前の粘膜と、尿道周囲の粘膜のところを指します。
ここが炎症を起こしてしまって.性交痛の原因になることがあります。
原因は、ビルの長期服用だったり、原因がはっきりしないこともあります。
腟前庭部炎の治療法
当院だといろんな治療法があります。
まず最初は、フェムゾーンケアといって、
腟前庭部の炎症を起こしているところに、
炎症止めの塗り薬を使ってもらいます。
ただ、あまり炎症止めだけだと良くならないことが多いので、
局所ホルモン療法行うことが多いです。
女性ホルモンとか男性ホルモンが入っているオイルを塗ってもらったりします。
腟前庭部炎のフェムゾーンケア
LUNAではクリニック独自のオイルをつくっております。
女性ホルモンが入っているEオイル、男性ホルモンが入っているTオイルがありす。
どちらかを使ってもらったり、
女性ホルモンも男性ホルモンも必要だなと思ったら、
一対一で混ぜてもらって、腟前庭部の炎症を起こしているところに、1日1回入浴後に塗ってもらうということをしています。
フェムゾーンケアで改善しない場合
フェムゾーンケアを行ってもなかなかよくならないという場合は腟レーザーを1ヶ月おきに3回くらい当てたりとか、
ボトックスという、注射を打ったりとか、いろんな治療法を行っています。
だいたい、皆さん、良くなるのには、3ヶ月から半年くらいかかるかなという印象です。
②処女膜強靭症治療
処女膜強靭症というのは、腟の入口の粘膜に処女膜というのがあって、それが非常に硬くて、挿入できないという方もいます。
そういう方の場合だと、処女膜に切開を入れるという手術を行っているので、必要であればそういった手術も行っています。
③腟痙攣治療
腟痙攣とは、例えば誰かに触られたりとか、ペニスを挿入するときなどに、無意識に腟をキュッと締めてしまう症状です。
これは、恐怖感といった精神的な要素が強いと言われていて、まず最初に当院だと骨盤底リハビリテーションをお勧めしています。
腟痙攣治療の骨盤底リハビリテーション
腟ダイレーターという、腟を広げる道具を使って、理学療法の先生に指導してもらいます。
そして、家でもダイレーターを使って練習してもらい、腟を広げていったり何かを入れられたりすることに慣れるということをまずしてもらいます。
そういった骨盤底リハビリテーションが治療のメインなんですが、なかなか良くならない人の場合は、腟にボトックスという筋肉を緩める注射をお勧めする場合もあります。
皆さんおっしゃるのが、なかなかどこに行っていいかわからないというような方が多いので、
もし性交痛で悩まれている方がいたら、ぜひご相談ください。
よろしくお願いします。
2024.5.27
中村綾子医師