-->

性交疼痛症は女性性機能障害の3分類の1つ

女性性機能障害の3分類

 

◉性的意欲障害

◉オーガズム障害

◉性交疼痛症

日本の場合は、性機能障害の治療を希望する女性の8割の主訴は“性交疼痛症”です。

 

考えられる原因

 

①GSM(閉経関連尿路性器症候群)

②性器感染症と婦人科疾患

③外陰痛症候群

④男女のセックスに対する勉強不足、認識不足

⑤男性のED(勃起障害)

 

①GSM(閉経関連尿路性器症候群)

 

閉経後3年くらいたつと女性ホルモンと男性ホルモンの低下の影響で、フェムゾーン(腟と外陰)の皮膚・粘膜や皮下組織が漸弱化し、

腟内の細菌叢が変化して、炎症が起こりやすくなります。その結果性交痛が起こりやすくなります。

性交痛がGSMの最初のサインのことがあります。痛みをがまんしてセックスをしていると、性的意欲障害になり、セックスレスになることが多いです。

GSMは進行すると、性交後出血・頻尿・尿もれ・再発性膀胱炎・陰部痛・慢性骨盤痛症候群などが起こるようになります。

 

②性器感染症と婦人科疾患

 

淋菌、クラミジア、カンジタ、トリコモナスなどの性器感染症があると帯下の増加や性状の変化とともに性交痛が出現します。
また子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患で性交痛が起こることがあります。性器感染症も婦人科疾患も、不妊症の原因となります。

さらに貧血や慢性骨盤痛症候群の原因になることもあります。さらに婦人科系の癌のチェックも必要です。

 

③外陰痛症候群

 

閉経に伴わない場合にも、女性ホルモンや男性ホルモンの失調が起こることがあります。さらにフェムゾーン(腟と外陰)の

アレルギーや慢性炎症性疾患、筋肉の血流の問題、精神疾患などが種々の原因で、陰部痛が起こります。

外陰痛症候群を含む慢性骨盤痛症候群は、放置すると痛みが悪化する傾向があります。痛みが全身に及び線維筋痛症になることがあります。

 

④男女のセックスに対する勉強不足、認識不足

 

男性より女性のほうが興奮までに時間がかかります。リラックスした雰囲気の中で、全身のマッサージやフェムゾーン(外陰や腟)のマッサージをして、

充分に湿潤した後、順番に、クリトリス、腟入口部、腟奥(子宮口)周辺の刺激を行うことで、痛みなくオーガズムに至ることができます。

痛みをがまんしてセックスをしていると、性的意欲障害になり、結果的に女性だけでなく、男性もセックスを楽しめなくなり、セックスレスになることが多いです。

 

⑤男性のED(勃起障害)

 

男性の勃起機能が低下し、ペニスの硬度が低下すると、女性側の性交痛が起こることがあります。女性側が性交痛のためセックスを避けるため、

セックス回数が減り、男性のEDが進行して、セックスレスになってしまうことがあります。

ペニスの硬度の低下とともに、女性の性交痛を訴える場合は、ED治療を始める時期です。勃起補助薬であるPD5阻害剤は、前立腺肥大症や動脈硬化を予防します。

 

ご予約はコチラから(女性泌尿器科)

 

2024.3.13
関口由紀医師