女性ホルモンが関係している尿道脱
尿道脱とは
尿道脱とは尿道の粘膜が尿道口(尿道の入り口)からでてきてしまう状態です。
女性ホルモンと関係
女性ホルモンと関係しているといわれ、女性ホルモンが少ない初潮前の小児や閉経後の女性にみられます。
症状
尿道脱が軽度であれば無症状で気づかないこともありますが、症状が進むと排尿時痛や出血、痛みなどの症状がでることがあります。
また、腹圧がかかると、尿道脱がされて出血や痛みが悪化することがあります。
治療
治療はステロイド軟こうや女性ホルモンクリームですが、重度の尿道脱では手術で尿脱の部位を切除します。
閉経後の女性に多い
尿道脱の患者さんは閉経後の女性が多いのですが、女性ホルモンが少なくなると粘膜と尿道の筋肉の間の結合組織を形成する
コラーゲンなどの結合組織が少なくなってきて、粘膜が余剰になること、筋肉との結合が弱まることで粘膜が外にでてきてしまうといわれます。
予防
閉経後は尿道や腟などの萎縮がおきやすく、当院では積極的にフェムゾーンケアをすすめています。
フェムゾーンのことでお困りのことがあればいつでもご相談ください。
手術方法
静脈麻酔、局所麻酔下でおこないます。尿道脱部位を切除し、切除した尿道粘膜を縫合します。術後は1週間程度、尿道カテーテルを挿入します。
手術後の生活
手術後から3日間、抗生剤を内服してください。
術後翌日から1週間程度、シャワーのみです。
抗生剤入りの軟膏を2週間創部に塗布してください。
運動や、自転車、公衆浴場などは3週間さけてください
リスク
手術部位の疼痛、感染、出血などがありますが、ほとんどの場合は術後数日でおさまります。
また、尿道脱が再発することがあるため、普段から腹圧がかかるような動作をしないなどの生活習慣に気をつけてください。
2024.5.27
中村綾子医師