卵巣腫瘍の話
卵巣腫瘍とは
腫瘍の種類: 卵巣は子宮の左右に一つずつあり、通常では2~3cmぐらいの大きさです。
卵巣腫瘍は、表層上皮性・間質性腫瘍、性索間質性腫瘍、胚細胞腫瘍などに大別され、それぞれに良性、境界悪性、悪性の腫瘍があります。
症状
腹部膨満感、下腹部痛、頻尿などがありますが、無症状で経過することも多いです。腫瘍が大きくなると症状が出現することが多く、
破裂や茎捻転による強い痛みが起こることもあります。
診断方法
診断方法: 問診、外診・内診、超音波検査を通じて卵巣腫瘍の有無や良・悪性を診断します。嚢胞性の腫瘍は多くが良性ですが、
充実性部分がある場合は悪性や境界悪性を疑います。必要に応じてMRI検査や腫瘍マーカーの測定が行われます。
最終診断: 手術で摘出した腫瘍の病理組織検査によって最終的な診断が確定します。
卵巣腫瘍を早期に治療する理由
進行の速さ:卵巣がんの進行スピードは個人差が大きいですが、がんの種類やステージによっても変わります。
早期に治療を開始すれば、がんの進行を遅らせることが可能です。
再発・転移のリスク:卵巣がんは、進行すると全身に転移する可能性があります。早期に治療を開始すれば、転移や再発のリスクを低減できます。
症状の改善:卵巣腫瘍の症状には腹部膨満感、下腹部痛、頻尿などがあります。これらの症状は、腫瘍が大きくなったり腹水がたまったりすると現れます。
早期に治療を開始すれば、これらの症状の改善が期待できます。
生存率の向上:卵巣がんの5年生存率は、手術から5年後に生存しているかどうかの指標です。早期に治療を開始すれば、生存率を向上させることが可能です。
茎捻転の予防:卵巣が大きくなると重みでねじれる「茎捻転」を起こしやすくなります。放置すると壊死して激しい痛みを伴うことがあるため、
早期に治療を開始すれば、このような合併症を防ぐことができます。
2024.6.10
小野寺真奈美医師