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乾燥の季節、保湿ってなに? -皮膚科-

寒い冬の終わりがようやく見えてきました。日も随分と長くなってきましたね。風に乗ってくる沈丁花の香り、花屋さんに並ぶチューリップ、時折さしてくる暖かな日差しなど少しずつ早春の気配を感じる瞬間が増えてきたように思います。とはいえ、まだまだ寒い日が続いていますね。空気の乾燥が気になる季節でもあります。

冬に引き続き、お肌の乾燥が原因と思われる皮膚のトラブルで外来に来られる方も少なくありません。肌のかさかさに悩まれている方も多いのではないでしょうか?
かさかさ肌には保湿、と言いますが、保湿は何でしょうか?なんで肌には潤いが必要なのでしょう?

実は皮膚という臓器の最も重症な役割に「内側の水分を守ること」「外界からの異物の侵入を防ぐこと」があります。皮膚は私たちの体を日々外部の刺激から守ってくれているのです。その皮膚の中でも一番外で頑張っているのが角層という部分です。角層は全身を覆うラップのようなもので、角層がなければ体の水分は失われ、人間は24時間も生きていることができません。健康な皮膚ではこの角層に20から30%の水分が常に保たれています。保湿の主役は角層といってもいいでしょう。その中でも保湿の3要素、といわれるものがあります。「皮脂膜」、「天然保湿因子」、「角質細胞間脂質」です。何やら難しい言葉が出てきましたが、天然保湿因子は水分を捕まえて離さない性質をもち、角質細胞間脂質は主にセラミドやコレステロールで構成され、水の層と脂の層がミルフィーユのように重なることによって水分を保持するとともに物理的に外界からの異物の侵入を防いでいます。皮脂膜は過剰な水分の蒸発を防ぐ蓋のような役割をしています。
ですから肌を保湿して、これらの役割をそれぞれ助けてあげることが大切です。といっても難しいことではありません。

具体的には角質が湿っているうちに、角質が乾いているならばたっぷりと化粧水をしみこませて、保湿クリームなどでケアし、水分を角層に閉じ込めることを手伝ってあげればよいのです。セラミド配合、などの保湿クリームを使ってもいいですね。この際、どんなスキンケア用品を使えばよいのか。ずばりお気に入りを使うことです。お気に入り、つまり自分が使っていて心地よいこと、自分の肌に合っているということです。ひりひりしたり、赤くなったり、少しおかしいな、と思ったら使い続けるのはやめましょう。
肌が乾燥していると、キメ、ツヤ、ハリといった立体構造が保てなくなり、肌の老化の特徴が強調されてしまいます。慣れないうちは肌を乾燥させないように保湿クリームを塗る、ということ自体なかなか難しいかもしれませんが、お気に入りの保湿剤をみつけて、楽しめるようになると一番いいですね。一日2回できると理想的です。

高価な化粧水やクリームを全身に使うなんてなかなかできなくても、皮膚科で「ワセリン」「尿素難航」「へパリン類似物質含有軟膏」といった保湿剤を保険診療で処方することができます。これらは薬というより、スキンケア用品、といったイメージでお使いいただけます。これらの軟膏にはもちろんステロイドは含まれていませんが、かさかさしてかゆみのある肌にもとても効果的です。

乾燥肌、スキンケアの悩みなど、気軽に皮膚科を利用してください。
正しいスキンケアで、外敵に強い、健康的な皮膚を目指しましょう!

LUNA骨盤底トータルサポートクリニック
皮膚科