乳腺良性腫瘍の話
良性の乳腺腫瘍は、乳腺に発生する腫瘍のことを指します。以下にいくつかの種類をご紹介します。
乳腺嚢胞
乳腺に発生した液体で満たされた袋状のもの。基本的には精密検査の必要はなく、定期的な検診受診などで問題ありません。
乳腺線維腺腫
10代後半から30代にできる良性の腫瘍です。
一般的には経過観察ですが、増大することもあり、その場合は摘出術などをすることもあります。
乳管内乳頭腫
乳管内にできる良性の腫瘍。乳管内乳頭腫は超音波検査やマンモグラフィなどの画像診断でも乳がんと区別しにくいことが多いため、
生検にて診断がつくことも多いです。また、自覚症状としては、しこり以外に分泌物が出現することもあります。
葉状腫瘍
乳房に発生するまれな腫瘍。葉状腫瘍のほとんどが良性腫瘍ですが、まれに悪性の経過をたどる葉状腫瘍があります。
良性の乳腺腫瘍の治療の必要性は?
一般的には治療の必要がないとされています。しかし、腫瘍が急速に大きくなる場合や、症状が重くなった場合は手術による切除を考慮することもあります。
良性腫瘍が体に与える影響
良性腫瘍が体に与える影響は軽いと言えます。特に、腫瘍が小さい場合には、それを手術で取り除く方がリスクが高いため
手術はあまりすすめられません。しかし、画像で良性悪性の鑑別が困難であったり、生検でもはっきり診断がつかなかった場合には、
小さくても摘出術をする場合があります。
定期的な検診受診や外来の必要は?
良性の乳腺腫瘍でも、定期的な検診受診や外来での経過観察が必要です。また、自分で良性か悪性かを判断することはできません。
医療機関で画像検査をしたり、一部を採取して顕微鏡レベルで調べながら判断します。
その結果によって良性腫瘍であれば経過観察や手術、悪性腫瘍であれば進行度に応じた治療を行うことになります。
以上の情報は一般的なものであり、個々の症状や状況により異なる場合があります。具体的な診断や治療法については、必ず医療専門家にご相談ください。
2024.6.24
松本京子医師