乳腺石灰化の話
乳腺の石灰化とは
乳腺の石灰化とは、乳腺にカルシウムが沈着した状態を指します。
これはマンモグラフィという乳房のX線検査で見つけることができ、画像上では真っ白い砂のような影として見えます。
乳腺の石灰化はどのような時に発生するのか?
石灰化自体は、乳腺症や線維腺腫などの良性の疾患や症状によっても発生します。
そのため、石灰化が見つかったからといって必ずしも乳がんが発生しているわけではありません。
しかし、乳がんの初期段階では、がん細胞が増殖する過程で出る分泌物などが石灰化することがあります。
石灰化が良性か悪性かを判断するためには
その形状や分布などを見る必要があります。
例えば、石灰化の粒が不揃いで角があったり、線状であったりする場合は、乳がんの可能性があります。
また、石灰化が一箇所に集まっていたり、特定のパターンで分布していたりする場合も、乳がんの可能性を疑います。
石灰化が見つかった場合
石灰化が見つかった場合、その性質を詳しく調べるために精密検査が必要になることがあります。
精密検査では、場合によって、マンモグラフィの追加撮影、乳腺超音波検査、乳腺造MRI、生検などがおこなわれます。
その結果を踏まえて今後の方針を決定します。
乳がんは早期発見により治療の成功率が高まります。
乳がんは早期発見により治療の成功率が高まります。検診で精密検査を要する石灰化を指摘された際は、
乳腺外科外来にてご相談下さい。
石灰化が見つかったからといって必ずしも乳がんであるとは限らないということを覚えておいてください。
不安なことがあれば、医師に相談しましょう。
2024.6.24
松本京子医師