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ポスト更年期とは何でしょう。

ポスト更年期とは何でしょう。

 

ポスト更年期を、イメージしやすい様に言い換えると、なかなか良い言葉がありませんが、熟年期などが良いと思います。

昔は老年期と言っていました。今でも婦人科の教科書では、更年期が終わると老年期と言いますが、医学的には良いのかもしれませんが、

55歳から先が40年くらい老年期というのも、人間は子供を産まなくなったら老人という医学的な発想なんだと思いますが、実際には違う気がします。

第2の生まれ変わりの後の時期がポスト更年期だと思っています。

では、老年期はいつ頃からでしょうか?老年期は85歳以~亡くなるまで。
ポスト更年期は55歳~85歳が良いと思います。

 

ポスト更年期は、とっても良い時期だと思います。
生殖に縛られず、家族にも縛られず、社会的制約もなく、とっても楽しく、今日は何をして遊ぼうかなという楽しい時期が30年です。

しかし、このあたりにちょっと健康に気を使っている方が良いのです。
何故かというと、健康にちゃんと気を使っていると、85歳以上の100歳までの15年が楽に過ごせるからです。

 

85歳以上の人の問題点として、身体が痛くて動かせない人が増えてくるという問題があります。なるべく、痛みはゼロにはならないけれど、痛くて体が動かせなくて寝たきりというのは避けたいところです。

身体が痛くて動かせないほどの痛みはなく、なんとか自分の身の回りのことは自分でできて、時々は遊びに行けて、幸せを感じられる85歳になるために、

 

55歳からのポスト更年期の心と身体のケアをした方が良いです。

 

女性ホルモンとは、本当に良いもので、女性ホルモンがたっぷりあるうちは、動脈硬化が進みづらいといわれています。

血管がしなやかなためです。髪の毛も皮膚も血管もしなやかなんです。しかし女性ホルモンが減ると動脈硬化が進んできます。
ですから、動脈硬化が進まないように努力をしましょう。

 

◆動脈硬化が進まないためには

血圧を下げる。
血糖を下げる。
脂質異常症(高脂血症)ではない体にしておく。
この3つが重要です。

血圧・血糖値・中性脂肪・コレステロール。この4つを正常範囲内に抑えておくというのは、先に行って楽だから今からやりましょう。

 

◆次に骨の問題

男性ホルモンは、実はコレステロールから作られるんですが、
コレステロール→DHEA→テストステロン(男性ホルモン)→エストラジオール(女性ホルモン)という経路が年をとってもあるので、ある程度男性ホルモンがいっぱいあると、

女性ホルモンが作られているので、意外と骨粗鬆症が進みません。
最近は長生きになってきたので、男性で骨粗鬆症の人もいますが、一般的には死ぬまで骨粗鬆症の心配をしなくてよい男性が多かった、それよりも前に亡くなる男性が多かったんです。

最近は、男性も長生きするようになってきたから骨粗鬆症が出てきました。
逆に女性は、他は大丈夫なのに骨だけ弱く、骨粗鬆症のためにポスト更年期の楽しい事が出来ないという女性が一定数います。

 

骨のケアがとても大切です。

◉母親が猫背ではないピシッとした背筋の人

◉体重がそこそこある

◉体が大きい

という女性は、あまり心配しなくても良いです。そういう方は、骨密度が高い人が多いです。

 

◉一方、母親が早くから腰が曲がっている

◉痩せている

◉身体が小さい

こういう人は、骨粗鬆症になりやすい。骨が弱くなりやすいです。

 

自分がどっちに入るか考えて、骨粗鬆症になりやすいタイプの人は、50~60歳の閉経あたりに、

DEXA法という精密な骨密度検査を一度受けた方が良いでしょう。

自分の骨密度がどのくらいか知ることがとても重要です。

骨密度検査でYAM値(若い人と比べた値)が、50歳台で、すでに70%代の、骨密度がすごく悪い人たちは、その時点で治療を開始した方が良いです。

 

平均すると、YAM値(若い人と比べた値)は、閉経すると、良い人で1%、悪い人で3%ほど下がっていきます。良い人ほど下がり難くて、悪い人ほど下がりやすいです。

 

治療ですが、最初はビタミンDとかの簡単な飲み薬からはじめますが、クリニックで出してくれます。半年から1年毎に検査をしながら、治療法を変えていきます。

 

◆次に皮膚のケア

女性ホルモンが減ってくると、皮膚がたるんできます。これはしょうがないのですが、軽く女性ホルモンを補充すると、お肌の老化も守られます。

ホルモンを使っても使わなくても良いですが、他にはプチ美容医療も利用して、なるべくシワやシミを作らないように、気をつけながら年を取っていく、意識を持つのが大切です。

 

◆がん検診は毎年やった方が良いと思います。

 

◆心のケア

鬱は、予防が大切です。ちょっと落ち込んだら、ひどくなる前に早めに、カウンセリングを受ける、お薬を飲むなどが良いと思います。テストステロン(男性ホルモン)の補充も、鬱に予防の効果があります。ご希望の方は、クリニックで相談してください。

 

◆フェムゾーン(腟と外陰)のケアが非常に重要です。

保湿と運動は欠かせません。若い頃から保湿と運動はやっても良いですが、更年期を過ぎたら日々のケア、お顔に化粧水を塗るように

フェムゾーンも保湿。毎日散歩するように、骨盤底トレーニングが必要です。

 

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2024年7月19日

関口由紀医師