「vaginismusの治療がうまくいかないのはどうして!? 行動療法に抵抗性の挿入障害に対するアプローチ法」
現在の女性性機能外来での相談内容で最も多いものが、挿入障害です。
パートナーとの性行為中にpenisの挿入ができないというものです。
女性側に原因がある場合、penisの挿入に対する恐怖や不安による過度な緊張状態により、腟周囲の筋肉が不随意に収縮してしまうvaginismusという病態が最も考えられます。
多くの場合、女性は、腟の入り口に触れようとしたり、指やpenisを挿入しようとすると足を閉じたりお尻が逃げてしまったりという逃避行動を起こします。
逃避行動がなくても、本来腟口があるはずの部位が「壁のよう」になってしまい、無理に指やpenisを挿入しようとすると強い痛みを感じます。
治療方法はいくつかありますが、多くの場合は鏡で外陰部を確認したり、指で腟口に触れてみたり、指やダイレーターを腟に挿入するといった行動療法から開始します。
この行動療法でうまくいく方は、半年前後で治癒する印象です。
しかし、何か月経っても
指や、指のサイズのダイレーターが挿入できない、
ダイレーターのサイズが上がらない、
ダイレーターの太いものは挿入できるのに、penisの挿入がどうしてもできない、
など行動療法になかなか反応しない方もいらっしゃいます。
うまくいく人とうまくいかない人の違いはなんなのか??
最近、行動療法のみの治療には、限界があると感じています。
もちろん、私の未熟さもありますが。
でも、たとえ行動療法をもっと効率的に行えたとしても、限界があるような気がしています。
この限界を超えるには、おそらくメンタル面のアプローチが必要なんだと思っています。
行動療法の一番の目的は、
「そんなところに何かが入るわけがない」という思い込みを払拭することだと思っています。
指で腟口を触れないひとは、
「そんなところを触ったら痛いに違いない」
「触ったら壊れてしまうに違いない」
「ばい菌が入ってしまうに違いない」
指が入らない人は、
「そんなところに穴があるわけない」
「指なんて入るわけがない」
ダイレーターのサイズが上がらない人は
「こんな太いものが入るわけがない」
Penisが入らない人は
「他人の体の一部が自分の体の中に入るわけがない」
といった思い込みにとらわれている場合があります。
ところで…
最近メタリストDaiGoのチャンネルに登録しました(笑)
ちょっと脱線しますが…。
絶賛婚活中の私は、ここ数か月でいろんな婚活本を読んだのですが、婚活本はいくつかのジャンルに分かれると思います。
体験談系、データ系、戦略系、メンタル系…etcです。
この、メンタル系、一冊一冊の内容はあっさいし、何言ってんだ?て感じなのですが、何冊も読んでるとなんだかその気になってくるんです(笑)。
不思議なことに。要は、どれもだいたい同じことを言っているので、繰り返し同じ内容を読んでいることになり、刷り込みが起こるようのですが…。
「自分はモテるわけがないという思い込みをすてる」
「自分はモテると思い込む」
「男性はみんな親切で優しいと思い込む」
「自分が感じたネガティブな感情と、ほんとはどうして欲しかったのか書き出す」
「悲しかった自分に対して自分で優しい言葉をかけて慰める」
…。
なんだこれ?(笑)
…と思っていた時に、恋愛や結婚に関するネタを多く扱っているDaiGoのyou tubeを視聴するようになり、
婚活メンタル系の本は、どれも同じ心理学的テクニック(自尊心とか自己効力感などと関連しているもの)を元ネタを出さないで婚活に応用しているだけ。
と気づきました(笑)
なので、内容の浅い婚活本をたくさん読むより、元ネタのはっきりしたDaiGoのチャンネルを観ればいいじゃん、となり、最近はこちらを見漁っています(笑)
…で、思ったんですよね。
婚活に応用できるんだから、挿入障害のカウンセリングにも応用できるはず…。
なぜなら、「セックスと自尊心」は強い結びつきがあるはずなので…。
という訳で、勉強中です。
これが結構難しそう。
心理学的テクニックももちろん難しいけど、一人ひとり状況や心理状態の違う女性たちに、それぞれどの手法を使うか選択するのが難しそう…。
診療に使うならちゃんと元ネタの本も読んだ方がよさそうかな…??
もう、DaiGoに直接教えて欲しい(笑)
でも、できるだけたくさんの女性に、愛するパートナーとのセックスを楽しんで欲しい(><)
頑張ります💨
挿入障害で悩んでいる方の中には、心理学的アプローチが効果的な人がたくさんいると思います。
気になった方はDaiGoのチャンネルを観てみるのもいいし、
横浜元町 女性医療クリニックの女性性機能外来に相談にきていただいてもいいし…とにかくいろんな方法があるはず!
女性性機能外来にいらした方は、一緒にご自分にあった治療法を考えてみましょう♡
2021.4.25
村田佳菜子医師