「妊活入門 妊活、てなにすればいーの??① 生活習慣・体重編」
昨年末から数回、妊活サプリを販売している企業からの依頼で、妊活セミナーをweb開催させていただきました。
これから妊活を始めたいけど、何からはじめたらいいかわからない、という方向けに、生活習慣の見直し、タイミングの取り方、不妊治療の基礎知識などを45分くらいでざっと説明させていただきました。
これが結構ご好評で…(笑)
診療中も実は患者さんに説明させていただいていることなので、セミナーでしかご披露できないのはもったいな、みんにも知ってもらいたいな、と思ったので、こちらでまとめさせていただきます。
まず、妊活、ときいてどんなこと思い浮かべますか?
「タイミングをとる」「食べちゃいけないものや食べた方がいいものがある??」「健康的な生活をする」…とか思い浮かぶと思います。
そんな感じです(笑)
妊活は3本柱で考えます。
- 生活習慣の見直し、
- 適切な時期にタイミングをとり、
そして、
- 高齢の方や不妊リスクのある方、タイミングをとっても一定の期間妊娠に至らない方は、クリニックを受診して不妊スクリーニング検査を受けることを検討します。
でも、それじゃあ、具体的にどんな風に生活習慣の見直しをすればよいのか、正しいタイミングの取り方はどうか、クリニックを受診して不妊スクリーニング検査を受ける時期や内容はどうなっているのか?見ていきましょう。
生活習慣の見直しについてお話します。
生活習慣の見直しも、3本柱で考えます。大事なのは、体重、運動、そして食事です。
今日は、体重について説明します。
体重、と聞いて「ぎくっ」とした方、いらっしゃいますか?
実は、いま「ぎくっ」としなかった方の中にも、注意して欲しい方がいらっしゃいます。
妊娠には適した体格があります。
BMI(Body Mass Index)は、ご存知の方も多いと思いますが、体重を、身長の2乗(二回かけた値)で割ったものですね。
例えば、150cm、45㎏の方は、45÷(1.5×1.5)=20となります。さぁ、ご自分で出してみましょう!
…どうでしたか?
20から24だった方!BMIから見た不妊のriskは低いといえます。
そして…最も不妊riskが低い(妊娠しやすい)BMIは21です!
一方…
肥満では卵巣機能、卵子の質、子宮内膜機能が低下し、妊娠率が低下し、BMI値30以上の女性では妊娠しても流産率が高くなります。また、妊娠に伴う妊娠合併症率が上昇します。
そして…
逆にBMIが低い方、BMI18.5未満の痩せの方ではやはり卵巣機能、卵子の質が低下し、妊娠しにくくなります。そして低出生体重児が生まれる率が高くなります。
また、近年注目されているのが、妊娠中の母体の痩せが、赤ちゃんの将来の生活習慣病(糖尿病など)のriskを上昇させるといわれています。妊娠中のお母さんの体重が赤ちゃんの長い将来にわたって影響を及ぼす可能性があるということです!
BMIは、低くても、高くても、妊娠率が低下し、流産率がupすることがわかっています。
おとなりで人ごとのようにすましている男性がいらっしゃるかも知れませんが、これは男性でもいえることです。カップルで適正体重を目指すことがおすすめです!
次回は運動についてお話します。
2021.4.10
村田佳菜子医師