コラム

乳癌治療最前線!

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乳腺外科 コラム第2

「乳癌治療最前線」  

 

 乳腺外科コラム第2弾は、最新の乳癌治療について話したいと思います。





【乳癌治療の変化】

乳癌の治療は20年前と比べ、がらりと変わりました。20年前までは乳癌治療の中心的役割を担っていたのは手術療法でした。身体の中にできた悪い細胞を、一度に確実に取り除くことが根治への近道と考えられていたからです(Halsted理論)。しかし最近は、乳癌は局所から全身へと段階的に進展するのではなく、あるものは比較的早い段階で全身へ拡がっている可能性のある全身病であることが分かってきました(Fisher理論)。つまり、手術で局所の癌細胞を完全に取り切れたと思われても、目に見えない微細な癌細胞が全身に拡がっている可能性があるということです。このことから、現在は局所的な治療の手術療法や放射線療法に加えて、全身的な効果が望める薬物療法(化学療法、ホルモン療法、抗HER2療法)を加えて、乳癌を根絶させる治療が行われるようになっています(集学的治療)。手術は必要以上に大きく切除する必要はなくなり、現在の手術は縮小化されるようになっています、手術については乳腺外科コラム第3弾でまたお話ししたいと思います。



【薬物療法の選択】

この薬物療法も5年前に比べてがらりと変わりました。今までは、乳癌がどの程度広がっているか(病期TNM分類)だけで、薬物療法を決めていました。しかし最近は、乳癌のなかでも顔つきが良いものから悪いものがあることが分かり(癌なので顔つきが良いと表現するのもおかしいですが。。。)、この種類によって治療方針が決定されるのです。現在、乳癌は大きく5種類に分けることができ、有効となる薬物療法が異なります。そのため、乳癌がどの種類なのかを見極めることが、とても重要となるのです。そして、これらの最新の薬物療法を行うことにより、現在では再発率の低下・生存率の改善が得られ、そしてこれまで乳癌が進行しているため治療を諦めざるをえなかった患者さんも、治療の対象になってきています。

今回は、なるべく簡単に最新の乳癌治療を書きましたが、実際の治療方針の決定には、他にも様々な因子を考慮する必要があります。少しでも疑問のある方は、これを機会に当院の乳腺外来を受診してみて下さい。


LUNA骨盤底トータルサポートクリニック 乳腺外科 小関淳医師