コラム

鍼灸治療は西洋医学の外側をサポートする「代替補完医療」

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 近年では研究が進み、西洋医学の外側をサポートする「代替医療・補完医療」として世界中でその効果が報告されました。現在、WHO(世界保健機関)で、鍼治療は多くの疾患に適用できることが認められています。またADL(日常生活動作)QOL(生活の質)の改善、仕事や家庭環境により生じるストレスや疲労の回復・向上に東洋医学が注目されています。

 

 よく鍼灸治療は痛そうで怖いとか、1回してみたら、返って調子を崩し、具合が悪くなったなどといわれているのを、耳にします。実は、これ、大きな誤解があり、なかなか噂は改善されません。


 本当のところは、こうです。鍼灸治療に使われる鍼は、実に細くほとんど痛みを感じることはありません。どのくらい細いかというと、一般的に使われる鍼の太さは、0.14 mm程度。これは、いわゆる注射針の針穴の中に約5 0本ほども入れられる細さなのです。一般的な注射に利用する針は、その針体の中心部は、血液などの液体を通すために空洞になっているので、そのせいで痛く感じやすいのです。反対に、鍼灸治療で使われる針は、トントンと皮膚に当たっている事を感じたり、刺入されている事は感じられても、痛いという感情が表れることはほとんどありません。(中国式などの鍼灸治療では、わざと痛みを感じさせる治療法もあります。)一般に、心理的に拒絶感の強い人ほど、痛さを感じやすいといわれています。


 また、返って具合が悪くなったと感じる場合の多くは、過剰反応によるものと考えられます。つまり、緊張などにより、身体のいろんな部分が凝り固まった状態が、治療によりリラックスできると循環が良くなります。その変化が大きすぎると、普段の身体の状態とは大きく違うので、身体がびっくりしてしまっているのです。俗に言われる”揉み返し”と一緒です。これは、現在の身体がどのような状態にあるかをきちんと見定め、鍼の太さや本数、置鍼の時間などを加減することで、本来は回避できます。

 

 鍼灸の対象疾患は、多岐に広がっています。過活動膀胱(頻尿)や間質性膀胱炎などの泌尿器科領域の症状、冷えやむくみ・ほてりなど自律神経の乱れにより発生する諸症状、肩こり・腰痛・膝痛などの筋骨格系の痛み全般、生理痛・頭痛などの機能性の痛み全般、不妊症や術後の体力増強目的などWHOに規定されているものも多数あります。