婦人科・診療内容

性行為感染症

image STD(性行為感染症)は、太古の昔から人間を苦しめている病気です。
困っているのはあなただけではありません。

以下のSTDは、症状が比較的はっきりしているものばかりです。
症状に気がついたら、放置せず勇気をもって婦人科受診をしましょう!!

性器クラミジア感染症

クラミジア菌が、セックスにより感染する性行為感染症(性病)です。オリモノが普段よりすこし増えたかなという程度の軽い自覚症状のことが多く、無症状の人もいます。
しかし男性のクラミジア感染症が、軽い尿道炎のみで他にあまり後遺症がないのにくらべて、女性の性器クラミジア感染症の場合、症状が遷延して骨盤内の癒着がおこり不妊症の原因になったり、救急外来に腹痛で受診する急性腹症の原因になったりします。

治療は、クリニック受診が必要です。内?により子宮口の粘膜採取によるクラミジアの同定検査の後、抗菌剤を1日~7日しっかり内服すれば、ほとんど完治します。問題は、セックスパートナーもいっしょに治療しないと、ふたたびセックスで再感染してしまうことです。どちらが移したのか等の口論をする前に、速やかにパートナーもいっしょに治療することがもっとも重要です。

尖圭コンジローマ

症状の特徴 : 膣内・膣周囲の外陰をはじめ、肛門・尿道口周囲にもピンクまたは茶色の乳頭状の湿疹が出現する。時に巨大化することもある。

感染の原因 : ヒト乳頭腫ウィルスの感染。大部分がセックスで感染するが、はっきりとわかる湿疹になるまでには、数ヶ月かかるのでいつ感染したかわからないことも多い。

治療法 : 免疫調整外用薬(イミキモドクリーム)が、最近は標準治療となっている。医療機関が、ボドフィリンという治療外用薬を作成している場合もある。これらを使用する場合は、効果も高いが、副作用も大きいので、医師の指示をしっかり守る必要がある。電気、レーザー、液体窒素や、外科手術による切除が行われることもある。しかし切除しても再発率が高い。

完治に要する時間 : イミキモドクリームによる完全治療を行う場合は、1ヶ月から2ヶ月必要。

注意点 : イミキモドクリームを使用する場合は、1日1回クリーム塗布、10時間後洗浄という、毎日の治療を行う必要がある。(例:昼休みに塗布、夜入浴など)その他 : 同じヒト乳頭腫ウィルスの感染で起こる疾患に、子宮頚部癌がある。子宮頚癌に関しては、若年のうちのワクチン投与が有効である。  

膣トリコモナス症

症状の特徴 : 泡状の悪臭の強いオリモノの増加と、外陰・膣の強い痒みや刺激感が持続する。トリコモナス原虫の感染で、膣の清浄を維持する乳酸桿菌が減少し、病源細菌による細菌性腟炎も合併しているため悪臭がある。

感染の原因 : 膣トリコモナス原虫の感染。膣トリコモナスは、男性に感染しても無症状のことが多い。無症状の男子の尿道や前立腺に感染していた膣トリコモナスがセックスで女性の膣に感染する場合が多いが、膣トリコモナスは、膣だけでなく子宮頚部や膀胱などにも感染するので、自己感染による再発もある。

治療法 : フラジールという原虫駆除薬を内服する。無症状の男性も同時に治療する必要がある。難治性や再発の場合は、内服剤と膣剤の併用治療を行うこともある。

完治に要する時間 : 一般的には、1週間~10日間フラジールを内服し、自覚症状の消失と原虫の消失を確認する。大量のフラジールを1回で内服する方法もある。これで完治しない場合は、1週間あけて再投与したり、細菌性腟炎の治療薬である抗菌薬の膣剤を併用したりする。

注意点 : フラジール内服中に飲酒すると腹痛、嘔吐などが起こることがあるので、内服中と内服後3日間は、禁酒する。

その他 : セックス以外でも便器や、浴槽、タオルから感染した例がある。  

性器ヘルペス

症状の特徴 : 初発の場合突然陰部の激しい痛みで発症する。排尿困難や発熱を伴うこともある。その数日後から陰部のいろいろな場所に、水疱性で一部潰瘍性の湿疹が多数できる。再発の場合は、症状が軽く、湿疹は1~数個できるだけである。再発の前に陰部の違和感などの前兆がある場合もある。

感染の原因 : 単純ヘルペス1型または2型の感染。感染して2~10日後くらいに初発する場合もあるが、感染した時は無症状で、体力がおちて免疫力が落ちた時に初発する場合もある。感染した性器ヘルペスは腰椎の神経節に潜伏感染し、免疫力の低下などがあると再び皮膚や粘膜に現れ再発する。

治療法 : 抗ヘルペスウィルス薬を内服する。初発の場合は、5~10日間服用。重症の場合は点滴治療を行う場合もある。再発の場合は、抗ヘルペスウィルス薬を5日程度内服するかまたは抗ヘルペスウィルス薬を陰部に塗布する。

完治に要する時間 : 年に何度も再発する場合や、再発した場合の症状が重い場合は、抗ヘルペスウィルス薬の1年程度の長期継続内服が行われる。

注意点 : 明らかな水疱性で一部潰瘍性の湿疹がパートナーにある場合は、セックスを避けるのが無難。しかし湿疹がなくても尿道や肛門周囲にウィルスが放出されている可能性がある。

その他 : 再発の場合発症してから1日以内に治療を開始しないと、治癒期間の短縮につながらない場合が多いので、速やかな治療開始が必要である。

膣カンジタ症

特徴的な症状は、陰部のかゆみです。さらに典型的な場合カッテージチーズ様と表現される白いポロポロしたおりものが認められるようになります。過労などによる免疫力の低下で、もともと自分でもっているカンジタ菌という真菌が増加した結果発病します。風邪や、膀胱炎などで抗菌薬を飲んだため、膣にいつもいる常在菌が減少してしまい、代わりにカンジタ菌が増加して膣カンジタ症になってしまうこともあります。治療法は、初めての発症の場合は、クリニックへの受診が必要です。
クリニックでは、おりものの顕微鏡検査や、培養検査でカンジタ菌を同定し、さらに抗真菌剤の膣剤や、クリーム剤を処方されます。大抵は1週間前後で、症状は軽快します。再発を繰り返す人もいますが、再発の場合は、薬局で市販薬を購入して治療することもできます。免疫力の低下が、発症の原因ですので、薬を使用するだけではなく、症状があるうちは充分な休養が必要です。

市販の膣カンジタ症の治療薬は、再発の場合に使用が限定されています。なぜ初発の際の適応がないかといいますと、それは初発の場合は、オリモノや膣のかゆみなどの症状だけでは膣カンジタ症の診断が難しいからです。検査をしなければ、クラミジアや淋菌、トリコモナスなどの性行為感染症などとカンジタの区別が難しく、これらの性行為感染症だった場合は、市販の膣カンジタ症の膣剤では、治療できません。

カンジタかなと思ったら、最初は産婦人科受診し、しっかり治療し再発しないようにしたほうがよいでしょう。
それでも再発してしまった場合は、市販の薬で治療してもよいですが、膣カンジタ症の再発のベースには、体力がないことによる体調不良があることが多いので、規則正しい生活や、食事の注意が必要です。

それでも再発する場合は、竜胆潟肝湯などの漢方薬で体質改善をこころみてもいいでしょう。