コラム

高血圧の薬は、長生きのサプリである

image 本当はしばらく歴史上の私のすきな人物でしばらく行こうと思ったが、やはり医療機関のブログなので、医療系と娯楽・趣味系は交互にアップしたほうがいいかと思い、本日は医療系の話にする。
ところで私は、高血圧である。発症は42歳。
両親ともに高血圧なので、いずれは高血圧になるだろうと予測はしていたが、まさかこんなに早く血圧があがるとは思わなかった。
急に頭痛や、肩こりに悩まされるようになり、まさかと思って測ったら血圧が150/100になっていた。ついその半年前までは、最高血圧が100以下で低血圧ぎみだったのに、突然高血圧を発症したのである。当時飲んでいた低容量ピルの副作用かと思い、中止にしてみたが、無駄であった。
私の血圧制御遺伝子は、42歳にして失活してしまったのだ。40歳になったら生活習慣病が増えるということは知識では分かっていたが、現実に自分の身に降りかかると少しショックだったことを覚えている。
この時から私の降圧剤内服人生が始まった。その後私の血圧は、常に正常を維持されている。  

だいたい自分は、癌家系ではないという人がいるが、これはかなりあてにならない。私の父も、自分のことをそういっていたが、65歳で胃がんになった。
そして娘は43歳で乳癌になった。たんにうちの先祖は、ガンになる前にみんな脳梗塞で死んでいただけのことだったのだ。(ちなみに父は、私の勧めでで50歳前半から高血圧の治療を開始した。)

遺伝的に高血圧症のリスクを持っている人は、40歳くらいから血圧が高くなる。治療を受けなければ20~30年で、動脈硬化が完成し、脳梗塞や心筋梗塞で死んでしまう。私は昭和38年生まれだが、私の祖父は、そのころ数回の脳梗塞発作の後、すでに寝たきりで、初孫である私は、彼の寝たきりのベッドの上でよくオシッコをもらして、祖父に喜ばれていたようだ。

そう昭和30年代くらいまでは、日本人は癌になる前に、みんな血管障害(卒中という)で死んでいたのである。その後一日一回飲むだけで、切れよく血圧を下げる薬が、たくさん開発されたおかげで、遺伝的に高血圧症のリスクがある人の寿命は急速に伸びた。
image 先祖が卒中で死んでいる家族歴があり、自分も40歳を越えて血圧が上昇してきたら、美容と健康のために降圧剤をのむべきだろう。

降圧剤を飲まずして、いくら食事や運動で節制にはげんでも、その効果は、遺伝的リスクを超えることはできない。日本女性は、公衆衛生で感染症を克服し、国民皆保険で生活習慣病から身を守ることにより世界一のほぼ90歳という平均寿命を叩きだしたのだ。

驚くほど美しい80歳の女性がたくさんいるのが日本である。(そのわりに男性が短命なので美しい80歳女性のお相手が少ないのは、日本の社会問題である。)

よく患者さんで、これから一生薬を飲むのは嫌だという人がいるが、人間が毎日一生続けることなどたくさんある。歯はみんな毎日磨くだろうし、ご飯なん、一日3回も食べるのだ。

一日1回薬を飲むなど慣れてしまえば簡単てある。私は、高血圧の薬は長生きのサプリであると考えて毎日しっかり飲んでいる。ところで高血圧を医学で克服した関口家には、ガンで死亡するヒトが続出した。特に肺がんと胃がんである。そういえば私が物心ついたころは、母を除く家族の全員がハイライトを吸っていた。

ハイライトなんで普通な昭和20年代の話と、私の好きな歴史上の女性(小松殿の予定)は次回と次々回に持ち越すことにしよう。

女性医療クリニックLUNAグループ 関口由紀理事長